人生 ああ鱈腹味わいたい

毒親疑惑の親が高齢になりまして・・・

実家でこっそりしていたこと

両親が高齢になり、頻繁に実家に戻るようになった

頃のはなしだ。

 

父も母も歯が弱くなり、柔らかい食事を希望した。

特にご飯は、炊飯器で3カップ炊く時には、水量は

5カップ分でと母に指定された。

炊き上がりはベタベタのおかゆ状態だ。

 

私はどちらかというと硬めのご飯が好きだ。

1度や2度くらいならいいけれど、何日もおかゆ

みたいなご飯が続くのは辛かった。食欲がなくなる。

 

ある日、お米3カップに水3.8カップ分くらいで

炊いてみた。私にすれば少々柔らかいが、これなら

両親も食べられそうだし、両者歩み寄りの方法では

はないかと思った。

 

ところが、父の反応は

「なんだ!この不味い飯は。バラバラじゃないか」

と大きな声で文句を言われた。

うーんん、歯の事情だけでなく、好みの問題でも

あったらしい・・・

でも、買ってきたお寿司などは、美味しいと

言って食べているから矛盾は感じるけれど。

 

仕方なく、水量は元のおかゆ仕様に戻し、私は

買ってきたパックご飯を食べることにした。

 

こっそりとパックご飯を買ってきて、両親の目の

届かない所にこっそりしまっておき、食事の時も

わからないようにこっそりとレンジでチンした。

 

パックの空容器もそのまま捨てられないので

(父が念入りにゴミ出し前のチェックをしていた)

こっそり自分のバッグに入れて、自宅に持ち帰って

処分していた。

 

父や母と同じご飯を食べないで、自分だけパック

ご飯を食べていることを言えなかった。

言ったら、悲しませるような気がして・・・

 

それ以外にも、冷蔵庫にかなり賞味期限切れの

食品を見つけても捨てることができずに、それらも

こっそり袋に入れて自宅に持ち帰ってから処分していた。

 

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なんだなんだなんだ〜〜〜〜〜〜〜〜!?!

何度「こっそり」と書けば気がすむのだ。

 

義理実家ならともかく、自分の実家、自分の親だ。

「私は柔らかいご飯が苦手だから、パックご飯を

食べるね。」

「これ賞味期限が切れてるから捨てるよ。」

なぜそう言えないのだ。おかしい!絶対おかしい。

 

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今、当時のこと(ほんの数年前)を思い出しても

明らかに変だと思う。父母が変というよりは、

私が変なのだ。

 

父母がAだと言ったとしても(確かにかなり自己主張が

強くてA以外はありえないと言うふうに聞こえるが)

小春はBなのよねーと言えばすむ話ではないか。

 

そんな簡単なことができなかった。

そうだ。小さな頃からずっとそうだった。

 

親の意見(ほぼ個人的な好みの問題だが)と

自分の気持ちは違う と言えなかった。

 

なぜだろう? 

 

そんなこと言えば、

親を不愉快にさせる、がっかりさせると思って

言えなかった気がする。

 

わー、そんな小さな頃から気を遣っていたの?

しかも自分の親に。。。

他人には遠慮して言えなくても、親になら言えるはず

親にならなんでも遠慮なく言って甘えられるはず。

ところが小春の場合は、親だから言えなかったのだ。

 

そこのところが普通じゃなかったのだ。

ずっと何十年間も親を気遣って自分の本心を言わず

閉じ込めてきたのだ。

 

つらかったよね・・・

 

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おかげさまで、今は少しよくなってきている。

パックご飯とも卒業した。

 

少し柔らかめ程度の水量でご飯を炊き、

 父が「なんだ! 硬いぞ!」と文句を言うと

「ごめん、水量まちがったみたい。

今度はもっと柔らかく炊くから。」と答えておく。

 

嘘も方便。小春もずる賢くなった。

賞味期限切れの食品も「これ捨てるよ」と

少しずつ言えるようになった。

もっともっと楽にやっていいのだよ、小春。