祖父からの入学祝を母が断わる⁉︎
小学生の頃の私はどんな子だったんだろう。
おとなしくて無口だった気がする。
その頃の写真を見ても、笑っているのがない。
もともと子供っぽくない顔立ちだったからか
無邪気にはじけてる写真は1枚もない。
通信簿に先生からのコメント欄があって
いつも引っ込み思案だから、もっと積極的に
とか、活発になりなさいとか、書かれていた。
小学生の頃の思い出というと・・・
家で夕食の時に、なぜか一人でトイレに行った。
少し離れた茶の間から、食事の温かい湯気の気配、
家族の団欒の声、食器の音などが聞こえてきた。
そのとき「ああ、私って幸せだ!」って思ったことを
覚えている。それが私の原点だと思っていた。
そう、今から5年前までは、子供の頃の思い出は
その暖かな記憶だった。
ところが今は、その記憶は誰か他人の記憶のように
しか思えない。すっかり色あせている。
この5年間で両親との関係が悪化したからだろうか
思い出すのは、嫌なこと悲しかったことばかりだ。
いえ、関係が悪化したのではない。
結婚して実家を出たことで両親と距離ができ、
摩擦が減っていたのが、親が高齢になった今
距離が近くなって、元に戻っただけかもしれない。
思い出すのは不可思議なことばかり。
■ 祖父からの入学祝いを母が断る
小学校の入学が近づいたころ、母が突然こう言った。
「おじいちゃん(母方の)が、小春の入学祝いに
オルガンを買ってあげると言ったけど、断って
おいたよ。オルガンなんていらないよね。」
そう言われてなんて答えたか覚えていない。
おそらく何も言わず黙っていたのではないかと。
素直に「え〜小春はオルガン欲しい。」と
言えば買ってもらえたかもしれないのに。
というか、欲しいと思った記憶もないのだ。
でもその後、社会人になって自分で貯めたお金で
エレクトーンを買って、レッスンに通った。
幼い頃の残念だった記憶が残っていたのかなと思う。あと、鍵盤楽器が弾けないという劣等感を乗り越えたかったこともある。
そして母の言葉はいまだに理解できない。
孫のためにお祝いをしてくれるのをなぜ断るの?
もし何か事情があって断ったのなら、子供には
何も話さないでしょう、普通の親なら。
話しても子供はガッカリするだけじゃないの。
続く・・・