人生 ああ鱈腹味わいたい

毒親疑惑の親が高齢になりまして・・・

親が良かれと思って選んでくれても、幸せとは限らない

小春が20歳の頃、父は実家を建て替えた。

新築祝いで親戚が集まった席で、叔母に

こう言われたのをはっきり覚えている。

 

「小春ちゃんは幸せだねー!

こんなに立派な家を建ててもらって」

 

建ててもらって?

これは父が建てた父の家だ。

もちろん小春の部屋も作ってくれてるが・・・

将来小春が結婚して子供ができた時には

子供部屋にするスペースも広めにとってあった。

 

この家で婿養子をもらって、子供ができ

ゆくゆくは小春一家の家になると、皆んな当然

のように思っていたのだろう、小春以外は。

 

 

確かに大きな家だ(田舎なら普通だったが)

でも、おばさんが言うように自分が幸せだとは

少しも感じなかった。

当時の私は、自由のないカゴの中の鳥だと

思っていたから。新しいカゴができたように

しか考えられなかった。

 

私の部屋だって、父が全部決めた。

畳に襖の和室、家具やカーテンも父が選んだ。

一番高価な壁にしたんだぞと父は自慢げに言ったが

20歳の女の子の部屋の雰囲気はまるでなかった。

ひとこと希望を聞いてくれてもいいような気がするが。

 

きっと一生懸命に父なりに選んでくれたのだろう。

感謝すべきなのだろうが・・・

 

自分が選んだものは

小春も気にいるに違いない!

 

そんなふうに信じ込んでいる。何かにつけて。

父と小春は親子ではあっても、別の人間なのだ。

父とは違う考えや価値観、好みがあると言う

ことを考えられないのだろうか。それは

40年たった今も変わってはいない。頑固すぎー

 

「家を建ててもらって」と言われても

全く嬉しくなかったが、その後結婚して自分たちの

家ができた時は本当に本当に嬉しかった!!

すんなり結婚できたわけではないが、いきさつは

以前のブログ記事に書いた。

 

fkoharu.hatenablog.com

 

 

新居は狭いアパートで、実家に比べるとほんとに

ささやかな部屋だったが、私は毎日ワクワクして

過ごしていた。若い2人でゼロからのスタート

だったが、家具やインテリアなど全部自分たちで

選べるのが何よりも嬉しかった。

 

新生活がスタートしてからも、私は毎日のように

ちょっとした小物や食器やキッチングッズなどを

買っていた。

夫が「会社から家に帰ってくると、何か新しい

ものが必ず増えているなあ」と笑った。

 

経済的な余裕がなかったので、ほんとにささやかな

買い物だったが、自分たちの家のものを

自分たちで選べるのが嬉しくて幸せだった。

 

幸せとはそういうもの。

親がいくら良かれと思って選んでくれても

幸せとは限らないのだ。