住み続けたい街
近所を少し散歩してきた。
12月の夜にしては寒くない。
薄雲のかかったぼんやりした月が出ている。
雨上がりの歩道、しっとりする。
ああ、この街が好きだーーー
あらためて感じた。
通りから聞こえる車の音さえいとおしい。
今 住んでいる街をこんなふうに思えるのは
幸せなことだ。
たぶん、その気持ちの裏側には
帰りたくない、住みたくない場所があるから、
よけいにそう思えるのだろう。
帰らなくてはいけない、住まなくてはいけないと
親、親戚などから何十年と言われ続け
自分の心の中にもそうしないといけないという
気持ちが染み込んでいて
それとずっと闘ってきたから。
ここは自分が自分でいられる
ほんとにくつろげる、ホッとできる
ああ大好きと思える街、そしてわたしの家。
ここでずっとずっと暮らしていきたい。