人生 ああ鱈腹味わいたい

毒親疑惑の親が高齢になりまして・・・

両親は男の子(=跡継ぎ)がほしかった

私が大人になってから、親戚のおばさんから

聞いた話だ。

 

妹が生まれたとき、おばさんがお祝いに来たら

家中が暗くてお通夜みたいだったと言う。

出産のお祝いに来て、お通夜という言葉を使う

おばさんもどうかと思うが(母の姉なので、

性格が似ているような気もする)

その時の実家の雰囲気はなんとなく想像がつく。

 

2人目はぜひ男の子をと、父も母も祖父母も強く

願っていたのだろう。

ところが、また女の子だった。

家中に失望感が充満していたに違いない。

 

また女の子だった・・・

そういう書き方をして、胸がちくんとした。

女の子で何が悪いんだ。もっと祝福しなよ!

おばさんの話が妹の耳に入っていませんように。

 

男の子を産めなかったことが、母の負い目に

なっていたのかなと想像する。

男の子がいない反動から、長女の私に家を継が

せようと必死になったのかもしれない。

 

家を継ぐといっても

代々続く旧家でもない、

歌舞伎とか茶道とか伝統を守らなければいけない

家でももちろんない、

家で商売や会社をやっているわけでもない、

 

戦前の家制度の影響なのだろうか。

どうしてそんなに家を大事にいうのか

私にはわからない。

 

私は子供の頃、家族で旅行や外食したことがない。

それどころか家族と一緒に初詣にも墓参りにも

行ったことがない。

 

実家は地元の神社の氏子だし、一般的な仏教寺院

の檀家でもあるが、いつも父が一人で正月の

挨拶に行くだけだった。

 

「家」が大切なら、家族揃って初詣に行ったり

お盆やお彼岸には墓参りに行くものではないのか。

いまだに謎だ。

 

実は最近、私に孫が生まれた。女の子だ。

父に写真を見せると、かわいいかわいいと

とても喜んだ。

 

そして、ふーと小さなタメイキをついて

「この子が男だったらなあ・・・

男の子だったらなあ。」

と何度もつぶやく。

 

そんな父を見ていると

女である私、娘の私を否定されたような気が

少しだけした。大げさだろうか。

 

おとうさん、

そういう本音を言うのは私だけにしてね。

息子夫婦や孫には絶対そんなこと言わないで!