気持ちから 事実がわかる
■ 花嫁の涙
これまで出席した結婚式で花嫁さんの涙を
何度も見てきた。
結婚できた喜び、これまで一緒に暮らした
両親や家族への感謝と巣立つ寂しさの
入り混じった気持ちなどなど、いろんなこと
がこみ上げてくるのだろうか。
そんな新郎新婦を見ていると、こちらまで
胸がジーンとしてもらい泣きしそうになる。
はるか昔・・・自分のときは・・・
胸がいっぱいになるようなこともなく
妙にサバサバしていたような気がする。
でも、新居に入ったときの気持ちは
はっきりと覚えている。狭いアパート
だったが
「今日からここが私のうちなんだ!
もう実家に帰らなくてもいいのだ。」
本当に本当に嬉しかった。
それまでの曇り空が一気に青空になった
ような感じだった。
小さな頃より婿養子をもらって実家を継ぐ
のだと言われ続けたが、夫と出会い、結婚して
家を出たいと言ったとき
「小春だけ幸せになってはいけない。」
「これまでなんのために育てたのかわからない。」
「小春に捨てられてどうやって生きていけばいいの」
そんな言葉を父と母から投げつけられた。
詳しくはこちらの記事で ↓
そんな経緯もあったから、私は花嫁の涙とは
縁がなかったのかなと思う。
今、書いていて改めて思ったが
娘が結婚して家を出る、つまり独立するときに
娘に捨てられたと感じる母・・・父もそれに
近い感情だっただろう。娘がいないなら生きて
いても意味がないとまで言い切ったのだから。
そんな親子。やっぱり、おかしい。変だ。
■ ホームシックになったことがない
少し話は変わるが、私はホームシックになった
ことがない。学生時代に一人暮らしをしていた。
同級生で親元を離れている友人達は、時々
故郷が、父や母が恋しくなって寂しい時が
あると話していた。彼女達は夏休みが始まると、
すぐに実家に帰省した。
帰省の日を楽しみにしていたようにも見えた。
そんな中で、私は休みになっても帰らずに
アルバイトやサークルに参加していた。
一人で寂しいとか、家に帰りたいとか、思った
ことがなかった。
結婚してからも、年末年始やGW、お盆など
頻繁に帰省していたが、実家に帰りたいと
思ったことはない。全て義務感からだ。
とてもシンプルなことだ。
実家での楽しい思い出があったり、ホッと
できてくつろげる場所なら帰りたいと思うだろう。
私にとってはそういう場所ではなかったのだ。
「実家に帰りたくない」という気持ちから
自分にとって実家がどういうものであったのか
今はっきり気づけた。