自分のおかしいところがわかった、自分で苦しくさせている
一人目の子供を出産して退院し実家に戻った
ばかりの頃の記憶だ。
初めての赤ちゃんの世話、夜中の授乳などで
クタクタになっていた。おまけに精神的にも
不安定で、無事赤ちゃんが生まれて嬉しいはず
なのに、なぜか悲観的な気持ちになってしまう。
いわゆる産後うつだったのかもしれない。
そんな時に、父が赤ちゃん(初孫だ)そばにきて
「なんだこれはー!」と糸のようなものを指で
つまんでいる。
ベビー布団のカバーから10センチほどの糸が
出ていたのだ。
大事な初孫の布団に糸が出ている。かわいそうに
早く切ってやれと怒っている。
こんなものが出てたらダメだ!と。
たったそれだけのことが、その時に私にはカチン
ときていまだに思い出すと怒りが出てくる。
危険があるならともかく、縫い目から糸が出てる
だけなのにそんなに激しく言わなくても・・・
そんなことを気にしているよりは、少しでも眠り
たかった。
ほんとに何かにケチをつけるのが好きな人だった。
糸が出ていると気がついたなら、何も言わずに
ハサミを持ってきて切ってくれればいいのに・・・
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ちょっとまった!! 小春もおかしい!!
「私はしんどくて眠いから、お父さん切っといて」
そう言えばおしまいの話じゃないの。
それとも「私は眠いから、そんな糸どうでもいいわ」
でもよかったのだ。
今だからそんなふうに考えられるが、当時の私には
そういう選択肢はなかった。考えつかなかった。
とにかく言われたことを真に受けて苦しくなり、
ぐっと我慢するだけだった。
感情を出さずに、自分の中に溜め込む。
軽くかわしたり、誰かに頼むという解決策も
思い浮かばない。
そんなふうに長年にわたって負の感情を溜め
込んできた。
苦しくなるはずだ。
どうして自分の感情を出さなかった・・・
いえ、出せなかったのだろう。