人生 ああ鱈腹味わいたい

毒親疑惑の親が高齢になりまして・・・

自分のおかしいところがわかった、自分で苦しくさせている

一人目の子供を出産して退院し実家に戻った

ばかりの頃の記憶だ。

 

初めての赤ちゃんの世話、夜中の授乳などで

クタクタになっていた。おまけに精神的にも

不安定で、無事赤ちゃんが生まれて嬉しいはず

なのに、なぜか悲観的な気持ちになってしまう。

いわゆる産後うつだったのかもしれない。

 

そんな時に、父が赤ちゃん(初孫だ)そばにきて

「なんだこれはー!」と糸のようなものを指で

つまんでいる。

ベビー布団のカバーから10センチほどの糸が

出ていたのだ。

 

大事な初孫の布団に糸が出ている。かわいそうに

早く切ってやれと怒っている。

こんなものが出てたらダメだ!と。

 

たったそれだけのことが、その時に私にはカチン

ときていまだに思い出すと怒りが出てくる。

 

危険があるならともかく、縫い目から糸が出てる

だけなのにそんなに激しく言わなくても・・・

そんなことを気にしているよりは、少しでも眠り

たかった。

 

ほんとに何かにケチをつけるのが好きな人だった。

糸が出ていると気がついたなら、何も言わずに

ハサミを持ってきて切ってくれればいいのに・・・

 

  *******************

 

ちょっとまった!! 小春もおかしい!!

 

「私はしんどくて眠いから、お父さん切っといて」

そう言えばおしまいの話じゃないの。

それとも「私は眠いから、そんな糸どうでもいいわ」

でもよかったのだ。

 

今だからそんなふうに考えられるが、当時の私には

そういう選択肢はなかった。考えつかなかった。

とにかく言われたことを真に受けて苦しくなり、

ぐっと我慢するだけだった。

 

感情を出さずに、自分の中に溜め込む。

軽くかわしたり、誰かに頼むという解決策も

思い浮かばない。

 

そんなふうに長年にわたって負の感情を溜め

込んできた。

苦しくなるはずだ。

 

どうして自分の感情を出さなかった・・・

いえ、出せなかったのだろう。