人生 ああ鱈腹味わいたい

毒親疑惑の親が高齢になりまして・・・

運動会の思い出

小学校の運動会の思い出。

3、4年生頃だっただろうか。

 

運動会の日の朝

雲ひとつない青空

運動場に引かれたまっさらな白い線

小さな万国旗がたくさん風に揺れていた。

 

まだ人の少ない運動場の端っこで

私は猛ダッシュの練習をしていた。

ワクワクして、頑張るぞーと元気が溢れ

ていたのを覚えている。

 

母や祖母が見にきてくれて、お昼は

運動場の横で一緒にお弁当を食べた。

 

 

その夜

家族で食事中に

母は見てきた運動会の話をした。

 

「小春の走り方ってこうなのよ。

プププ・・」と笑いながら

 

母は、口をとんがらせて、アゴを突き出し、

手を大げさに振って、体を横に揺らしながら

走る真似をする。

 

何度もやって笑い転げる。

 

小春の走る真似をして茶化す母への

怒りよりも、恥ずかしさに襲われた。

 

私はあんなにみっともない格好で走って

いたのだろうか。恥ずかしい。

どうしよう、みんな笑っていたのかも。

そんな思いでいっぱいになった。

朝の小さな自信はこっぱみじんに飛び散った。

 

その話は私が大人になってからも、子供時代の

思い出として、母が何度も話した。

笑いながら、大げさに変な格好で走る真似

を繰り返したのだ。

 

そんなことをされて、私がどんな気持ちに

なるのか、母は考えなかったのだろうか。

たぶん、人の気持ちを考えるという概念

そのものがなかったのかもしれない。